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2014.02.17

「食生活と長生き」の永遠に解けないナゾ

■ひさびさ、読んだ本の話です。ちょっと衝撃を受けました…。


これを食べれば医者はいらない 」(祥伝社刊/若杉友子・著)
76歳の「若杉おばあちゃま」が提唱する、日本人への食生活提言の本。
しかし若杉おばあちゃまは「くれぐれも、『絶対すべてこの通りにしなければいけないと思わないで』」という前提で書いてありますが、勧める食事の内容は、日本古来の非常にストイックな玄米菜食主義です。
まとめると、
・現代人は動物性たんぱくを摂り過ぎ、そして往々にして「食べ過ぎ」。それが年々増加する万病の元になっている(動物性たんぱく=肉、魚、卵、乳製品)
・パン、小麦製品NG。基本は玄米。
・砂糖、甘いもの、化学調味料、加工したもの、工業製品、農薬がかった米、野菜NG
・不自然な現代の調理道具(IH、電子レンジ、圧力鍋NG)
目指すのは、良質な味噌、しょうゆ、自然塩で味付けし、土鍋や鉄鍋で手作りした料理を「一汁一菜」で質素にいただく食生活。野草などもとてもよい。
昔の日本人は、そういう食生活でも女性1人が10人子供を産み、その子供たちも元気に育って、80歳、90歳の長寿の人も普通にいた。

■うう…グルメな食事・外食好き。砂糖を使った甘いもの大好き、自宅のキッチンはIH、圧力鍋は素晴らしいとフル活用しているわたし…(。>0<。) 絵に描いたように真逆。
しかしそれらが生きる楽しみなのに、これをもがれたら体より気持ちが不健康になってしまう…。
でもたしかに、いまより全然質素な食事だったのに、昔の人って子だくさんだったよなー。

■こういうとても厳格な食生活の話に触れると、いつも思い出し、そして謎が浮かぶのがわたしの4人の祖父母のこと。
父方の祖父母、特に祖父は、まさにこの若杉おばあちゃんの「ストイック食生活こそ健康なり」を子供、そしてわたしたち孫に、口うるさく言っていた人。外食は大嫌い、白米・白砂糖は病気の素、玄米・野菜・豆をいつ何時でもめんどうがらず、手間ひまかけて作って食べよと。

■一方、母方の祖父母は、大正初期の生まれにしてはとてもめずらしく、2人とも「大の洋食好み」だった。パン、ケーキ、バター、クリームを使ったレシピが大好き。週1回の外食が、夫婦二人になってからの人生最大の楽しみ。
普段の食卓にはぶり照りやさんまなど和食ももちろん登場したけど、料理上手だった祖母はいろいろな洋風メニューを作っていた。子どもの頃食べた、祖母のサーモンのバターソテーがおいしかったなー。祖父の一番好きなメニューは、チーズがとろけるクリームグラタン。
祖父母に家に泊まると、朝のトーストの香りと、「好きなだけつけていい」というバターとジャム、そしてじわじわ焼けたベーコンエッグが並ぶ風景がいまでも鮮明に思い出される。

■…と、まあ本当に、わかりやすいほど真逆な食生活をしていた夫婦2組を、わたしは子供の頃から垣間見ていたわけです。
そして…そんな人生ゲームの最後、一番先に「あがり」になってしまったのは、なんと「ストイック派」の方の祖母だった…!そして二番目は皮肉にも、同じくストイック派を最も貫いた父方の祖父。二人とも肺がんで亡くなりました。
そして外食・洋食好きだった母方の祖父母は、結局5人の孫が全員30代をとうに超えるまで、本当に長生きしてくれました。祖母は90歳、祖父は96歳という長寿をまっとう。祖母は最後の数年は、認知症を患ってしまいましたが、それ以外は大きな病気ひとつせず、本当にストレスのない、いい人生だったのではと思います。

■わたしの両親の祖父母、たった4サンプルでは何もわからないし、仮説は導けないと思います。しかし子供の頃からこの4人を、本当に身近に見続けて、すり込まれるように信じていたことは「人生、食べることを楽しんだ人が勝ち」というセオリー。
それがいまのわたしの仕事にもつながっている。
健康で、長生きするためにはどんな食事をするのが正解なのだろう…いまだに、永遠に解けない、食のプロとしてのわたしの謎なのです。
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